アンティークコラム

アンティークのネジ〜プラスネジとマイナスネジ〜

アンティークのネジ 〜プラスネジとマイナスネジ〜

さて今回は、アンティークの家具や小物には欠かせないネジについてお話ししたいと思います。
ネジといえば「プラス」と「マイナス」がありますが、なぜ2種類あるのでしょうか。

 

実は、プラスネジは後から考え出された物だったのです。
プラスネジは1935年、アメリカのヘンリー・F・フィリップスという技術者によって発明されました。

 

「-」と「+」。とてもシンプルな発想に思えますが、意外にも、彼が発明するまで誰も「+」のネジを思いつかなかったのです。彼はマイナスネジを締める時にドライバーが滑ったり、ネジの溝が潰れたりして、そのたびに腹を立てていました。

なんとかならないだろうかと考えていたある日、彼はひらめきます。

 

「ネジの頭をプラスにすればうまくいくはずだ!」

 

彼はさっそく行動に移し、1935年に特許を取得しました。

彼の思った通り、プラスネジはドライバーが滑らずしっかりと締め付けられると評判になり、世界中に広まっていったのでした。

開発者にちなんで、今でもプラスネジのことを英語で「フィリップス・スクリュー」といったりします。

 

ホンダの創業者、本田宗一郎がヨーロッパ視察に行った際、工場でプラスネジを使ったオートバイのライン生産に驚き、まだマイナスネジが主流の日本に持ち帰って本格的にプラスネジを使い始めたという逸話もあります。
ということはつまり、それ以前に生産された家具や小物などは全て「マイナスネジ」が使われているのです。

 

アンティークの物を修理する時、雰囲気を損なわないように現代のマイナスネジを錆びさせて使うこともあるようです。

アンティークの家具や雑貨なのにプラスネジが使われているという場合は、アンティークとしてのこだわりをとくに気にせず修理に使われたか、1935年より後に作られた物であるかもしれません。
実際にunikkの商品を見てみると‥‥

 

アンティークネジ-1 アンティークネジ-2

アンティークネジ-3 アンティークネジ-4

 

確かにマイナスネジが使われています。

やっぱりアンティークにはマイナスネジが似合うものです。

こんな小さなネジからそのアンティークの歴史がうかがえるなんて、とても興味深いですね。

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